■地震と強風に強くなる!?瓦屋根のラバーロック工法のメリットとデメリット
「今の瓦屋根にちょっとした工事をするだけで、地震や強風に強い屋根になります」、ある日、こんな口上で訪問販売業者が勧めてくるのがラバーロック工法です。貴方のご近所の瓦屋根で、瓦と瓦の間が妙に黒ずんでいるお家はありませんか。それはラバーロック工法が行われた瓦屋根です。このラバーロック工法、否定的な意見もあれば、肯定的な意見もあり、どちらが正しいのか迷う工法です。現在、ラバーロック工法をご検討している方に向けてメリットとデメリット、正しい工法をご説明致します。
■肯定と否定の賛否両論、瓦屋根のラバーロック工法
瓦屋根の改修方法の1つにラバーロック工法というものがあります。きっと今ラバーロック工法をお勧めされている方は「地震や強風で瓦がずれることがなくなる」という耐震や耐風への強化を大義名分として訪問販売業者から提案を受けているという方が多いことと思います。また「標準的な広さのお家であれば工期も約1日と短い」、「お値段もお安い」などとお手軽に不安を解消できる優れた工法としてお勧めされているかもしれません。
しかし、一方で世の中には頑なにラバーロック工法を否定する意見も存在します。屋根のリフォーム、修理方法には目的や予算に応じた様々な提案があることは間違いありませんが賛否両論のラバーロックについてはどうなのでしょうか。 現在、訪問業者などにラバーロック工法を勧められて迷っているという方はぜひ、お読みになって正しい知識を身に付けてください。まずはラバーロック工法がどのようなものかを理解することから始めたいと思います。
■ラバーロック工法の相場
材料はシーリング材(コーキング材)のみ、施工には特別な技術も必要としませんから、それなりに低価格なのがラバーロック工法です。建坪30坪(約100㎡)の場合、シーリング材の材料費は約10万円程度です。 これに手間賃となる人件費と業者の利益が加わりますから、高くても約30万円といったところが相場になります。この30万円という数値をよく覚えておいてください。
建坪30坪(約100㎡)の場合
■ラバーロック工法のメリット・デメリット
前述のようにラバーロック工法は材料もシーリング材のみで、特別な技術も必要ありません。価格も本格的な瓦屋根の改修方法に較べればお安く、屋根の上の危険性を除けば、お手軽な瓦屋根の改修方法と言えます。それなのに否定的な意見が多いのは何故なのか。ここではメリットとデメリットをご紹介します。
多少の地震や強風を防ぐということであれば他の耐震リフォームと比較してもお手軽・安価な工事だということがわかります。しかし大切なことはメリットを享受する上で発生するデメリットを理解しておくことです。 プレハブのような仮住まいとは違って大切なお家だからこそ、ラバーロックを行うことによるデメリットや想定されるリスク等についてもどうかご理解ください。では実際に見てみましょう。
■ラバーロック工法のデメリットや発生するリスク
1.見た目が悪くなる シーリング材には粘着性がありますから、経年で汚れが溜まっていきます。瓦屋根の色にもよるのですが、鮮やかな色ほど経年によって黒ずみが目立つようになってきます。
2.他の修理や解体の時に手間がかかる 瓦同士が接着されていますからそれを剥がさないと撤去や解体ができません。また、瓦の縁にシーリング材が残るので再利用も難しくなります。瓦の縁に残ったシーリング材を除去することは不可能ではないのですが、かなりの手間となります。 カッターなどの刃物で削ぎ落としていく方法もあるのですが、瓦に傷がつきますし、その傷から水分が染みて凍結すれば、凍害が発生します。時間や労力、凍害などのリスクを考えると、結局は新しい瓦を購入せざるえないのです。
3.屋根のことを全く知らない業者が施工していることがある 特別な技術も必要としないので誰にでも施工できますが最低限の知識を持った業者でないと雨漏りなどの不具合を引き起こします。
4.屋根の通気性を損ねる ほとんどの屋根材は水蒸気などを逃がすために通気性を考えた設計がなされています。ラバーロック工法の場合、通気のための隙間を埋めてしまうので、通気性が悪くなり、下地にダメージを与えてしまうこともあります。 特に注意してほしいのが屋根の基本的な知識のない業者です。ラバーロック工法後、雨漏りがはじまったというケースは実に多いのです。
当該ケースではラバーロックを剥がして、通常の棟取り直し工事を行い雨漏り解消
新たに熨斗(のし)瓦と冠瓦を購入し、棟瓦を取り直して再構築。通気性を確保でき、雨漏りとは無縁の屋根になった。 9段積みという格式の高い瓦屋根だけに瓦の購入費用をかなりのものとなり、結果的に高額となってしました。ラバーロック工法を行わなければ、このような無駄な出費は防げたはずである。
5.地震に対し、言われてるほど効果がない・瓦同士が接着されているので、まとまって落下してくるのでかえって危険
ある程度の強風や地震に対しては確かに有効です。大地震の時に瓦がどうやって落下するのかはその時の揺れ方によります。バラバラと数枚ずつ落下してくることもあれば、一気に落下してくることもあるでしょう。 ラバーロック工法の場合、瓦同士が接着されているため、落下してくるとしたら、まとまって落下してくることになります。一般的な100㎡のお家の場合、瓦の重さは6tに迫ります。それが一塊になって落ちてきたら… これは無人のマイクロバスが落下してくるのと同じです。
6.悪徳業者が多い
特別な技術も必要としないので誰にでも施工できることから、悪徳業者の格好の手口となりました。一般の方々はシーリング材の値段も知りませんし、屋根の工事費の価格ことも知りません。普通の家の大きさで100万円以上を請求する業者もいると聞きます。 前述のように屋根の基本的な知識のない業者が施工しますと、雨漏りがはじまってしまうケースもあるので、かえって高くつくこともあります。 ラバーロック工法は価格も安く、強風時や地震時に瓦のズレや落下を防止する効果はありますが、それ以上にデメリットが多いのが実状です。「強風時に瓦がずれてしまうことが多く、年に何回も業者を呼んでおり、できるだけ簡易的な方法で解決したい」という方以外にはお薦めできません。10年、20年とこの先、地震や強風などの心配を少しでも減らして安心して何年もそのお家で暮らしていくなら、『金属屋根に葺きかえる』、『防災瓦に葺き替える』といった問題を根本的に解決できる屋根リフォームをした方がよいのです。 「あと数年しか住まないからラバーロックで凌ぎたい」という方はラバーロック工法の正しい施工方法を絶対に覚えておいてください。
先程も申しました通り、ラバーロック工法は正しく施工されないと雨漏りという重大な欠陥を引き起こします。しかしラバーロックが全て悪いというわけではなく、屋根や家の構造について正しい知識を持った上で施工するのであれば目的によって効果的な事もあるのです。 シーリング材で瓦を固定しつつ、通気性のための隙間を設ける正しい施工方法であれば無駄な雨漏りのリスクを抱える必要もありません。 ラバーロック工法を業者にご依頼するという方は絶対に「シーリングはどのように打ちますか」と聞くようにしましょう。「瓦の高くなった部分だけ一文字で打ちます」、または「瓦の高くなっている部分にL型で打ちます」と答える業者以外には絶対に頼まないでください。「地震と強風により強くするため、瓦の周囲、全てに打ちます」なんて答える業者は論外です。
ラバーロック工法の正しい施工方法1
雨水の流れる量の少ない瓦の山部分のみをシーリングで接着する
瓦の下の通気を確保しながら、なおかつ瓦を固定できる方法です。雨水の流れを妨げる部分も少ないので雨漏りを起こしにくい正しい施工方法です。接着部分が少なければ、大地震の際もシーリングが剥がれたり、裂けやすくなるので、瓦同士がまとまって落ちてくるリスクも減らせます。
ラバーロック工法の正しい施工方法2
雨水の流れる量の少ない瓦の山部分をL字型にシーリングで接着する
L字型にシーリングすることによって、縦と横の動きの両方に強くなります。季節によってさまざまな方向から強風が吹くといった場合に有効な施工です。こちらも接着部分が少なければ少ないほど、大地震の際もシーリングが剥がれたり、裂けやすくなるので、瓦同士がまとまって落ちてくるリスクも減らせます。
ラバーロック工法の正しい施工方法 棟部分
熨斗(のし)瓦の隙間のT字型になっている部分のみをシーリングで接着する
平らな熨斗(のし)瓦の交互に積んであり、その隙間がT字型になっている部分のみをシーリングで接着します。地震などで熨斗(のし)瓦が崩れる場合、一番下の部分から横倒しになることが多いので、どれだけ効果があるかは分かりませんが、強風でずれることは少なくなります。
ラバーロック工法の正しい施工方法
棟部分の最上段の半丸瓦 頂点の部分のみをシーリングで接着する
最上段の冠瓦は熨斗瓦と接している部分はその隙間が逆T字型になっている部分のみをシーリングで接着します。半丸瓦の上方は頂点のみを接着します。
隙間を残さず、シーリングで接着してしまう
そもそもこのような施工方法は論外です。瓦同士が重なり合ってできる隙間は瓦の下に入ってしまった雨水やその水蒸気を逃すために設けられています。よって、ここを塞いでしまうと必ずと言っていいほど、雨漏りに繋がるからです。「隙間を塞いでしまえば、雨水が入ってこなくなるので問題がなくなるのではないか」と考えがちですが、必ずどこからか雨水は浸入してきます。 また、寒暖の差によって結露も発生しますので、水蒸気を逃がすための隙間は必ず必要なのです。屋根の知識がない業者は隙間なく充填しまうこともあります。雨漏りだけでなく、小屋裏や室内にカビも発生しやすくなりますし、木材などを腐食させてしまうこともあります。絶対にやってはいけない施工です。
当社ではドローンというカメラ付き機械を上空に飛ばして、お客様の屋根を無料で点検しております。ご自宅の屋根が心配な方は是非当社へお問合せください。
合同会社TAIKEN 浜松西店
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